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エボラウイルス

 12月30日付で「EMBO Molecular Medicine」誌が掲載した論文によると、2014年のエボラの流行がいかにして始まったのかについて、意外なシナリオが浮上している。最初の犠牲者となった子どもは、昆虫を餌とする小型のコウモリから感染したのではないかというのだ。  エボラ出血熱は、動物原性感染症である。ウイルスは人間以外の動物(保有宿主)に、普段は害を与えることなくひそかにすみつき、ごくまれに人間に感染して症状を引き起こす。  これまでは、比較的サイズが大きく肉づきの良いオオコウモリが宿主ではないかと疑われることが多かったが、はっきり特定された動物はいない。宿主を特定する方法は、疑われる動物の組織や血液を採取してウイルスを培養するというものだが、オオコウモリでもほかの動物でも、これで証明されたケースはない。ウイルスは今も野放しの状態で、熱帯アフリカのどこかに人知れずひっそりと生息している。 感染例が2万件近くに上り、これまで7708人の死者を出している2014年のエボラの流行は、1年あまり前にギニアの南東部でひそかに始まった。3月にアウトブレイク(爆発的な感染)のニュースが世界中に広まると、それから数週間のうちに、ベルリンにあるロベルト・コッホ研究所のファビアン・リーンデルツ医師は、各分野から集められた専門家によるチームを結成し、リベリアとコートジボワールの国境に近い感染地域へ入った。チームには、生態学者から獣医、地元住民に話を聞くための人類学者まで含まれていた。  専門家チームは、最初に人間への感染が確認されたギニアにあるメリアンドウという村に注目した。ここに8日間滞在し、生存者からの証言を集め、捕まえたコウモリの血液や組織などのサンプルを採取した。これらのデータを分析した結果、チームは新たな仮説を立てた。おそらく保有宿主はコウモリだと思われるが、オオコウモリではなく、人間と何らかの接触の機会をもった別の種である可能性が高いという。  オオコウモリは、ギニア南東部に多く生息しているが、メリアンドウ村の近くではあまり見かけない。一方で村には、小型の食虫性コウモリが数多く生息する。人家の軒下や木のほらなど自然の穴にすみつくこのコウモリを、地元住民は「ロリベロ」と呼んでいる。研究報告によると、村の子どもたちはよくこのコウモリを捕まえて、たき火で焼いて食べているという。  専門家らは、もう一つの手がかりも発見した。中が空洞になっている大木である。最近になってこの大木は燃やされたが、そのとき雨が降るかのようにコウモリの大群が飛び出してきたという。リーンデルツ氏のチームがこの木の根元から土壌サンプルを採取してみると、オヒキコウモリのものとみられるDNAの痕跡が見つかった。このコウモリは、村人たちが語るロリベロの描写と一致する。さらに、問題の大木は村の子どもたちのお気に入りの遊び場で、最初にエボラ出血熱の犠牲者となった男の子も、よくここで遊んでいたそうだ。  こうした状況証拠の数々は、メリアンドウ村の男の子がオヒキコウモリに接触したことで2014年にエボラの流行が始まった可能性を示唆している。このコウモリがエボラウイルスへの抗体をもっていることはわかっているが、サンプル数がごくわずかで、抗体も重要な証拠とみなされず、宿主の有力候補からは外されていた。しかし今後、さらに多くのデータが集められてウイルスとコウモリとの強い関連性が見つかれば、それも変わるかもしれない。 カイロプラクティック

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